施行日:令和元年六月二十五日

第三章 都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途

第三章 都市計画と準都市計画の区域の中では

第三章 都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途

第四章 ___

第二章 建物の敷地、建物の構造、建築設備について
第一節 この章全体にいえること

第一節 総則

(都市計画と準都市計画の区域の中だけ)
第四十一条の二

この章は第八節をのぞき、都市計画区域などの建築物に対する規定なので、都市計画区域と準都市計画区域の中だけで適用するものとします。
原文
(道路の定義)
第四十二条重要

建築基準法において道路といえば、次の各号に該当するもので、幅が4メートル以上なければなりません。

特定行政庁が指定をした場合は、幅6メートル以上が必要となる場合があります。

必要な幅を6メートルとするには、地域の特性を考えて特定行政庁が必要性を認めた上で、都道府県の都市計画審議会での議論を経て6メートルが必要となる区域を特定行政庁が指定します。

地下道については、幅4メートルの規定を免れる場合があります。
原文

 一

道路法に適合する道路
原文

 二

次の法律に適合する道路
  • 都市計画法
  • 土地区画整理法
  • 旧住宅地造成事業に関する法律
  • 都市再開発法
  • 新都市基盤整備法
  • 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法
  • 密集市街地整備法
原文

 三

建築基準法の道路に関する規定が適用される前からあった道
原文

 四

次の法律に基づき特定行政庁の指定を受けていて、二年以内に整備される道路予定地
  • 道路法
  • 都市計画法
  • 土地区画整理法
  • 都市再開発法
  • 新都市基盤整備法
  • 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法
  • 密集市街地整備法
原文

 五

第四項の法律に基づいていない場合であっても、特定行政庁から位置の指定を受けて、建築予定地区内に政令の基準に適合する様式で設置される道路予定地
原文

2

建築基準法の道路に関する規定が適用される前からあった道でも、4メートルの幅がないと第一項第三号の道路としては認められません。

しかし、その頃から道沿いに建物が立ち並んでいるようなところでは、それを道路として認める方が現実的です。

そこで、4メートルの幅がなくても、特定行政庁が指定をした場合は、道路として認める代わりに、その道の4メートルに足りない部分についても仮想上の道路があることとします。

実際には、道路の幅の中心線から垂直方向に左右それぞれ2メートルの所が道路の境界だとみなされます。

しかし、道路の片側のどちらかが崖地や川だったり、線路だったりするような場合は、そちら側の端から4メートルのところが道路の境界だとみなされます。

なお、道路の幅は6メートルが必要な区域内では、中心線から左右に3メートルの所が道路の境界とみなされます。
“必要な道路の幅がないために、足りない部分を仮想上の道路があること”とした部分のことを《道路後退》または《セットバック》といいます。
原文

3

土地の状況により、どうしても道幅4メートルで道路の境界を設定できないところでは、特定行政庁の指定を受ければ、最小幅2.7メートル以上の所を道路の境界にすることが認められます。

この場合、通常は道路の中心線から垂直方向に左右それぞれ1.35メートルの所が道路の境界とみなされます。
原文

4

幅が6メートル以上なければ道路として認められない地域内であっても、幅が4メートル以上あって、次の各号のどれかに該当するということで、特定行政庁が認可指定をした道に関しては道路として認められます。
原文

 一

道幅が狭くても、周囲の状況から通行や避難をする上で安全上支障なし、と特定行政庁が認める道
原文

 二

地区計画などで定められた区域内で、配置や規模も地区計画に即して設置される道
原文

 三

建築基準法の道路に関する規定が適用される前から道路として認められていた道
原文

5

幅6メートルが必要な区域内で、建築基準法の前からの道路として特定行政庁に認められていた幅4メートル未満の道は、その区域に指定された時点での道路の境界をそのまま適用してかまいません。

仮想的に幅4メートルとなるように道路の境界をみなすという規定(第二項)を適用する必要はありません。
原文

6

幅1.8メートル未満の道を道路として指定する場合(第二項の規定による指定)は、予め建築審査会の同意を得る必要があります。

最小幅2.7メートル以上の所を道路の境界に指定する場合(第三項の規定による指定)は、予め建築審査会の同意を得る必要があります。
原文




第二節 道路と敷地の境界線

第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等

(敷地と道路のつながり)
第四十三条重要

建物を建てるための敷地は道路と最低でも2メートルは接していなければなりません。

ただし、その敷地の周辺が広い空き地に接していて、人や車の行き来に不便さがなく、安全面や防火面そして衛生面で支障が無いことを特定行政庁が認め、建築審査会の同意を得た上で、許可を得た場合は、道路と接しているのが2メートル以下でも構いません。

道路とはいっても、次のタイプの道路では接していると認められません。
 一

自動車専用道路
 二

 高架道路

自動車通行部分から構造的に沿道に出入りができない道路(政令で定める基準に該当する道路)

ただし、これらの道路は建築物などの敷地と道路とを活用するべき区域として地区整備計画で指定されている区域内のものに限ります。

このような道路を《特定高架道路》といいます。
2

地方自治体では、次の建築物の敷地と道路の関係に必要性が認められた場合や、災害時の避難や通行上の安全性を確保できない道路と判断した場合は、条例で必要な制限を加えることができます。

対象となる建築物は次の通りです。
  • 特殊建築物
  • 三階建て以上の建築物
  • 居室なのに、政令で定められた窓や開口部が足りていない建築物
  • 延べ面積が1000平方メートルを超える建築物

必要な制限は次の通りです。
  • 敷地が接する道路の幅
  • 接道部分の長さ
  • 上記以外の敷地と道路との関係

敷地内に複数の建築物がある場合、延べ面積は複数の建物の合計になるのは、第四節、第七節、別表第三と同様です。
原文
(必要な道路幅がない建築物には)
第四十三条の二

《セットバック》が必要な4メートル未満の道路に2メートル以上の必要な長さに接している建築物を対象とする規定です。

地方自治体では、人や車の行き来が不便であったり、安全面や防火面そして衛生面で支障があると認めた場合、問題のある建築物対して条例で必要な制限を加えることが認められます。

この場合、問題のある建築物の敷地、構造、建築設備、用途が制限の対象となります。
原文

(道路に建てないで)
第四十四条

道路に建物を建ててはいけません。

道路にはみ出して建物を建ててもいけません。

建物を建てるための擁壁の一部だからといっても道路にはみ出してはいけません。

ただし以下の建築物は道路に建てることが認められます。
 一

地下の建物
 二

公衆トイレ、派出所、その他公衆のための施設

特定行政庁に、通行の妨げにならないことを認められ、建築審議会で同意を得た上で、特定行政庁に許可を得る必要があります。
 三

高速道路が貫通する構造の建築物

高架式道路の高架下の建築物
地区計画の内容と政令の基準に適合した上で、特定行政庁に安全面、防災面、衛生面で支障がないと認めらる必要があります。
 四

歩道の屋根、アーケード

政令で定める建築物
特定行政庁に安全面、防災面、衛生面で支障がないことと、周囲の建物の迷惑や環境悪化の心配がないことを認められる必要があります。
2

特定行政庁がアーケードに対する許可をする場合、あらかじめ建築審査会の同意を得る必要があります。
“アーケードなどの屋根付きの歩道”のことを《公共用歩廊》といいます。
原文

(私道だからといっても勝手には)
第四十五条

個人所有の私道だからといって、その道が移動したり無くなったることで、その道に接していた建物の敷地が、道路の定義に関する規定(第四十三条第一項、第四十三条第二項の規定に基く条例)に反して、道と接することができなくなっては困ります。

そんなことにならないように、特定行政庁は私道の変更禁止や廃止の禁止をしたり、制限を加えることが認められます。
2

私道の変更や廃止の禁止や制限をする場合、建築基準法に違反した場合の規定(第九条)の次の項を同じように適用することとします。
  • 違反があった場合の手続きについて(第二項)
  • 意見聴取の機会の手続きについて(第三項、第四項、第五項、第六項)
  • 行政手続き法との違いについて(第十五項)
原文

(整った街並みのための壁面線)
第四十六条

道路から見て整った街並みを築くために、特定行政庁が必要だと認めた場合、建築審査会の同意を得た上で、《壁面線》を設定して、その線よりも道路側の敷地に建物などの建築を制限することができます。

壁面線を設定するまでに、壁面線を設定することにより損害などの影響を受ける可能性がある人のために、公開で意見を聴くための場を設け得る必要があります。
2

壁面線設定前の公聴の場を設ける際には、その期日と場所、そしてどのような壁面線を設ける計画なのかということを開催されに三日前までに公告する必要があります。
3

実際に壁面線が設定されたら、むやみに時間をかけることなく、そのことを公告する必要があります。
“道路の境界線から建築物の柱や壁面、高さ2メートルを超える門や塀の建築を制限する境界線”のことを《壁面線》といいます。
原文

(壁面線が設定されたら)
第四十七条

敷地内に壁面線が設定されたら、その範囲の内側に建物の壁や柱が入り込む配置で建築することは許されません。

建物に限らず、高さが2メートルを超える門や塀も建築することは許されません。

ただし地下に関しては、制限の対象にはなりません。

建築審査会の同意を得た上で特定行政庁から許可を得ているアーケードの柱などに関しても、制限の対象にはなりません。
原文
第三節 建築物の用途

第三節 建築物の用途

(用途地域とは)
第四十八条重要

第一種低層住居専用地域の中では、次の表に記載されている建物は建築することが認められています。
(別表第二)
(い)住宅
住宅兼用の事務所や店舗(政令で定めるもの)
共同住宅、寄宿舎や下宿
小学校、中学校、高校、図書館
神社、寺院、協会などの宗教施設
老人ホーム、保育所、福祉ホームなどの福祉施設
公衆浴場(風俗系はNG)
診療所
派出所、公衆電話ボックス、その他政令で定める公共施設
上記の建築物の付属建築物

例外として、周囲の環境を害する恐れがないことを特定行政庁で認めたものである上に、公益上やむをえないということで許可をされた建築物には建築が許されます。
都市計画法において、都市が健全に発展し、秩序ある整備が進められるために土地の利用方法や都市施設の整備や開発をどのような計画の基に行うべきかを都道府県が定めたものを《都市計画》といいます。
都市計画法において、“都市計画が定められた区域”を《都市計画区域》、“準都市計画が定められた区域”を《準都市計画区域》といいます。
都市計画区域が定められると、その区域の中には以下の12種類の《用途地域》を定めることができます。
都市計画法で「第一種低層住居専用地域」は、“高さ的に2階建ぐらいまでの低層住宅の生活環境の保護を最重要視する地域”とされています。
原文

2

第二種低層住居専用地域の中では、次の表に記載されている建物は建築することが認められています。
(別表第二)
(ろ) 第一種低層住居専用地域内に建築することができる建築物
  • 住宅
  • 住宅兼用の事務所や店舗(政令で定めるもの)
  • 共同住宅、寄宿舎や下宿
  • 小学校、中学校、高校、図書館
  • 神社、寺院、協会などの宗教施設
  • 老人ホーム、保育所、福祉ホームなどの福祉施設
  • 公衆浴場(風俗系はNG)
  • 診療所
  • 派出所、公衆電話ボックス、その他政令で定める公共施設
店舗、飲食店など(店舗部分が2階までにあって、合計床面積が150㎡以内)
上記の建築物の付属建築物(政令による例外あり)

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「第二種低層住居専用地域」は、“主に2階建ぐらいまでの低層住宅の生活環境の保護を重要視する地域”とされています。
原文

3

第一種中高層住居専用地域の中では、次の表に記載されている建物は建築することが認められています。
(別表第二)
(は) 第一種低層住居専用地域内に建築することができる建築物
  • 住宅
  • 住宅兼用の事務所や店舗(政令で定めるもの)
  • 共同住宅、寄宿舎や下宿
  • 小学校、中学校、高校、図書館
  • 神社、寺院、協会などの宗教施設
  • 老人ホーム、保育所、福祉ホームなどの福祉施設
  • 公衆浴場(風俗系はNG)
  • 診療所
  • 派出所、公衆電話ボックス、その他政令で定める公共施設
大学、高等専門学校、専修学校などの専門教育施設
病院
老人福祉センター、児童厚生施設などの老人や児童のための福祉施設
店舗、飲食店など(店舗部分が2階までにあって、合計床面積が500㎡以内)
室内駐車場(2階建以下で、床面積300㎡以内、または都市計画で建築が決定されたもの)
地域や公益のために必要とされる建築物(政令で指定されたもの)
上記の建築物の付属建築物(政令による例外あり)

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「第一種中高層住居専用地域」は、“高さ的に3階建以上の中層住宅や、6階建以上の高層住宅の生活環境の保護を最重要視する地域”とされています。
原文

4

第二種中高層住居専用地域の中では、次の表に記載されている建築物は建てることが許されません。
(別表第二)
(に) 次に該当する建築物
  • 射的、麻雀、パチンコ、競輪競馬などのギャンブル関係の施設
  • カラオケ屋
  • 劇場、映画館、演芸場、観覧場などの興行施設、ナイトクラブ
  • 300㎡以上、または三階部分より上階にある室内駐車場
  • 業務用倉庫
  • 次の火災や爆発の恐れのある危険物の貯蔵庫や処理場
    • 火薬(火薬類取締法で規定されているもの)
    • 危険物(消防法で規定されるもの)
    • マッチ
    • 可燃性ガス(政令で定めるものはのぞく)
    • 圧縮ガス、液化ガス
  • キャバレー、芸者さんの呼べる料亭
  • ソープランドなど
工場(政令で指定されたものはのぞく)
ボーリング場、スケート場、水泳場などのスポーツ施設(政令で指定されたもの)
ホテル、旅館
自動車教習所
家畜を飼うための施設(政令で定める規模を超えるもの)
三階から上の階に、第一種中高層住居専用地域内では建てられない建築物
合計床面積1500㎡に、第一種中高層住居専用地域内では建てられない建築物

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「第二種中高層住居専用地域」は、“主に3階建以上の中層住宅や、6階建以上の高層住宅の生活環境の保護を重要視する地域”とされています。
原文

5

第一種住居地域の中では、次の表に記載されている建築物は建てることが許されません。
(別表第二)
(ほ) 次に該当する建築物
  • 音や振動、臭い、埃が出る恐れのある工場
  • 火災や爆発の恐れのある危険物の貯蔵庫や処理場
  • 商業地域内と近隣商業地域内に建てられない建築物
  • 50㎡以上で、動力を使用する工場
  • 劇場、映画館、演芸場、観覧場などの興行施設、ナイトクラブ
  • 300㎡以上、または三階部分より上階にある室内駐車場
  • 業務用倉庫
射的、麻雀、パチンコ、競輪競馬などのギャンブル関係の施設
カラオケ屋
第一種中高層住居専用地域に建てられない建築物で、床面積の合計が3000㎡を超える建築物

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「第一種住居地域」は、“住居環境の保護を最優先する地域”とされています。
原文

6

第二種住居地域の中では、次の表に記載されている建築物は建てることが許されません。
(別表第二)
(へ) 次に該当する建築物
  • 音や振動、臭い、埃が出る恐れのある工場
  • 火災や爆発の恐れのある危険物の貯蔵庫や処理場
  • 商業地域内と近隣商業地域内に建てられない建築物
50㎡以上で、動力を使用する工場
劇場、映画館、演芸場、観覧場などの興行施設、ナイトクラブ
300㎡以上、または三階部分より上階にある室内駐車場
業務用倉庫
合計の床面積が10000㎡を超える店舗や飲食店、展示場、パチンコホール、競輪競馬などのギャンブル関係の施設など

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「第二種住居地域」は、“住居環境の保護をできるだけ優先する地域”とされています。
原文

7

準住居地域の中では、次の表に記載されている建築物は建てることが許されません。
(別表第二)
(と)商業地域内と近隣商業地域内に建てられない建築物
50㎡以上で、動力を使用する工場
次の業種の工場

(特製の工作機械などを使って周辺住居への悪影響のないことが政令でも認められたら対象外となる場合があります。)
(一)金属工作工場で、容量10リットル以上30リットル以下のアセチレンガス発生器を使用する工場
(一の二)印刷用インキの製造工場
(二)塗装工場で、動力の出力合計0.75kW以下の塗料吹付機を使用する工場
(二の二)動力を使用するちくわやかまぼこ工場
(三)二台以下の動力付き研磨機を使用する金属の乾燥研磨工場(工具の研磨用は除く)
(四)コルク、エボナイト、合成樹脂の動力を用いる粉砕・乾燥研磨工場、木材の動力を用いる粉砕工場
(四の二)金属板の槌打工場(暑さ0.5mm以上)、動力を使用する金属プレス工場や剪断工場(液圧による矯正プレスは対象外)
(四の三)オフセット印刷用の平版研磨工場
(四の四)薬品やお菓子の糖衣機を使う工場
(四の五)動力を使用するセメント工場
(四の六)出力の合計0.75kWを超える動力を使用するワイヤーフォーミングマシンによる金属線の加工工場
(五)出力の合計0.75kWを超える動力を使用する次の加工工場
  • 木材の引割やかんな削り工場
  • 裁縫やはた織工場
  • 撚糸や組ひも工場
  • 編物工場
  • 製袋工場
  • やすりの目立工場
(六)出力の合計1.5kWを超える動力を使用する次の加工工場
  • 製針工場
  • 石材の引割
(七)出力の合計2.5kWを超える動力を使用する製粉工場
(八)合成樹脂の射出成形加工工場
(九)出力の合計10kWを超える動力を使用する金属の切削工場
(十)メッキ工場
(十一)出力の合計が1.5kWを超えるコンプレッサーを使う工場
(十二)動力を使う印刷工場
(十三)ロール式のベンディングマシンを使う鉄板の加工工場
(十四)タンブラーを使う金属加工工場難文
(十五)カレンダーロール機を使わないゴムや合成樹脂を練り合わせ作業の工場
(十六)住みやすい環境を守る上で安全面、防火面、衛生面でのリスクが高いとして政令で指定された工場
次の火災や爆発の恐れのある危険物の貯蔵庫や処理場
  • 火薬(火薬類取締法で規定されているもの)
  • 危険物(消防法で規定されるもの)
  • マッチ
  • 可燃性ガス(政令で定めるものはのぞく)
  • 圧縮ガス、液化ガス
客席の床面積が合計で200㎡以上ある劇場、映画館、演芸場、観覧場などの興行施設や、ナイトクラブなどの店舗

これらと同じような施設で、200㎡以上ある建築物
政令で定められた次のような店舗が集まって店舗の部分や客席の部分の合計床面積が10000㎡を超える建築物
  • 客席床面積が200㎡未満の劇場、映画館、演芸場、観覧場などの興行施設
  • 客席床面積が200㎡未満のナイトクラブなどの店舗
  • 店舗や飲食店
  • 展示場
  • パチンコホール、競輪競馬などのギャンブル関係の施設など

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「準住居地域」は、“大通りに面した住居特性に合わせて、サービス提供と調和のとれた住居環境の確保を目指す地域”とされています。
原文

8

近隣商業地域の中では、次の表に記載されている建築物は建てることが許されません。
(別表第二)
(ち)商業地域内に建築してはならない建築物
  • 危険物の製造工場
  • 動力を使い、150㎡を超える工場
  • 商店に悪影響を与える恐れのある工場各種
    詳しくは(り)参照
  • 危険物の貯蔵庫や処理場
キャバレー、芸者さんの呼べる料亭
ソープランドなど

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「近隣商業地域」は、“近隣住民への商品提供する商店を優先する地域”とされています。
原文

9

商業地域の中では、次の表に記載されている建築物は建てることが許されません。
(別表第二)
(り)次の火災や爆発の恐れのある危険物の製造工場
  • 火薬(火薬類取締法で規定されているもの)
  • 危険物(消防法で規定されるもの)
床面積の合計が150㎡を超え、動力を使う工場

次の工場を除く
  • 日刊新聞の印刷工場
  • 床面積の合計が300㎡未満の自動車修理工場
次の業種の工場

(特製の工作機械などを使って商店や買い物客への悪影響のないことが政令でも認められたら対象外となる場合があります。)
(一)玩具花火の製造工場
(二)アセチレンガスを使う金属加工工場

次の工場をのぞく
  • アセチレンガス発生器の容量30リットル以下の工場
  • 溶解アセチレンガスを使う工場
(三)ドライクリーニング、染め物、塗装、焼付塗装のために、赤外線式ではなくて、引火性の溶剤を使用する工場
(四)セルロイドの加熱加工工場、動力式ノコギリを使用する工場
(五)絵具や水性塗料の製造工場
(六)合計出力0.75kWを超える動力式の塗料吹付工場
(七)亜硫酸ガスを使用する漂白工場
(八)動物の骨などを原料とする炭(骨炭)の製造工場
(八の二)石鹸の製造工場
(八の三)動物の骨や肉、血、羽などを原料とする飼料の製造工場
(八の四)紙の手漉き工場
(九)生物の羽や毛の洗浄、染色、漂白工場
(十)リサイクルされた布や糸、紙などの消毒、選別、洗浄、漂白工場
(十一)動力を使う、製綿や綿の再生工場、繊維の表面加工工場、フェルトの製造工場
(十二)動物の骨や角、牙、ひづめ、貝殻を動力を使ってカットや乾燥研磨する工場

3台以上の動力付き乾燥研磨機を使う金属加工工場
(十三)動力を使う、鉱物、岩石、土砂、コンクリート、アスファルト、硫黄、金属、ガラス、れんが、陶磁器、骨、貝殻の粉砕工場
(十三の二)生コン工場

合計出力2.5kWを超える動力を使うセメントの袋詰工場
(十四)炭、カイロ用の固形燃料、連単の製造工場
(十五)活字や金属製の工芸品の鋳造工場
(印刷工場での活字の鋳造は対象外)

容量の合計が50リツトル未満のるつぼやはかまを使用する金属の溶融工場
(十六)瓦、れんが、土器、陶磁器、人造砥石、るつぼ、ほうろう鉄器の製造工場
(十七)ガラス製造やサンドブラスト加工の工場
(十七の二)金属の溶射やサンドブラスト加工の工場
(十七の三)鉄板の波付加工工場
(十七の四)ドラム缶の洗浄や再生工場
(十八)電動鍛造機を使う金属の鍛造工場
(十九)出力の合計が4kW以下の動力を使いワイヤー、パイプ、鉄板ロールを製造する金属の圧延工場
(二十)その他、安全、防火、衛生、健康面からの不安から、政令で定める商業エリアにふさわしくない業種
政令で定める危険物の貯蔵や処理場

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「商業地域」は、“商業の発展を最優先する地域”とされています。
原文

10

準工業地域の中では、次の表に記載されている建築物は建てることが許されません。
(別表第二)
(ぬ)次の業種の工場

(特製の工作機械などを使って商店や買い物客への悪影響のないことが政令でも認められたら対象外となる場合があります。)
(一)火薬
(火薬類取締法で規定されているもの)
(二)危険物
(消防法で規定されるもの)
(三)マツチの製造工場
(四)塗料、火薬、接着剤などの原料になるニトロセルロースの製造工場
(五)合成繊維の一種(ビスコース、アセテート、銅アンモニアレーヨン)の製造工場
(六)合成染料や合成染料の原料、顔料、塗料の製造工場
(漆や水性塗料の製造は対象外)
(七)引火性溶剤を使う、ゴム製品や芳香油の製造工場
(八)乾燥油や引火性溶剤を使って和紙を革風に加工したり、防水処置をする工場
(九)木材を原料とする活性炭の製造工場
(水蒸気法による製造工場は対象外)
(十)石炭ガス類やコークスの製造工場
(十一)燃料に限らず可燃性ガスの製造工場
(政令で認められた種類のガスについては対象外)
(十二)圧縮ガスや液化ガスの製造の製造工場
(製氷や冷凍用のガスは対象外)
(十三)次の物質の製造工場
  • 塩素、臭素、ヨード、硫黄、塩化硫黄
  • 弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸
  • 苛性カリ、苛性ソーダ、アンモニア水、炭酸カリ、せんたくソーダ、ソーダ灰、さらし粉
  • 次硝酸蒼鉛、亜硫酸塩類、チオ硫酸塩類
  • 砒素化合物、鉛化合物、バリウム化合物、銅化合物、水銀化合物、シアン化合物
  • クロールズルホン酸、クロロホルム、四塩化炭素
  • ホルマリン、ズルホナール、グリセリン、イヒチオールズルホン酸アンモン
  • 酢酸、石炭酸、安息香酸、タンニン酸
  • アセトアニリド、アスピリン、グアヤコール
(十四)加水分解によるたんぱく質製品の製造工場
(十五)油脂の採取、硬化、加熱加工工場
(化粧品の製造工場は対象外)
(十六)ゴムの加工助剤(ファクチス)、合成樹脂、合成ゴム、合成繊維の製造工場
(十七)肥料の製造工場
(十八)製紙工場、パルプの製造工場
(手漉き和紙の製造工場は対象外)
(十九)革材料の製造工場、にかわの製造工場、毛皮や骨の精製工場
(二十)アスフアルトの精製工場
(二十一)アスフアルト、コールタール、木材から得られるタール、石油の蒸留による精製品や石油製品の製造工場
(二十二)セメント、石膏、消石灰、生石灰、炭化物肥料(カーバイド)の製造
(二十三)金属の溶融工場、金属の精練工場
(金属の合計容量が50リットル以下のるつぼやはかまを使用する工場と、活字や金属工芸品の製造工場は対象外)
(二十四)炭素の粉末を原料とする炭素製品や黒鉛製品の製造工場

黒鉛の粉砕工場
(二十五)動力を使って金属の厚板や鋼材を加工するためのはつり作業工場
(グラインダーを使う場合は除外)

鋲打作業工場や孔埋作業を伴う加工工場
(二十六)鉄釘類や鋼球の製造工場
(二十七)出力の合計が4kWを超える動力を使いワイヤー、パイプ、鉄板ロールを製造する金属の圧延工場
(二十八)鍛造機を使う金属の鍛造工場 (電動鍛造機を使う場合は除外)
(二十九)動物の臓器や排泄物を原料とする医薬品の製造工場
(三十)石綿を含む製品の製造工場や石綿を含む製品の粉砕工場
(三十一)その他、安全、防火、衛生、健康面からの不安から、政令で定め工業エリアにふさわしくない業種
政令で定める危険物の貯蔵や処理場
ソープランドなど

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「準工業地域」は、“周辺の環境に対する負荷の小さい工業を活発化することを重視する地域”とされています。
原文

11

工業地域の中では、次の表に記載されている建築物は建てることが許されません。
(別表第二)
(る)ソープランドなど
ホテルや旅館
キャバレー、芸者さんの呼べる料亭
劇場、映画館、演芸場、観覧場などの興行施設、ナイトクラブ
学校
(幼保連携型認定こども園は対象外)
病院
合計の床面積が10000㎡を超える店舗や飲食店、展示場、パチンコホール、競輪競馬などのギャンブル関係の施設など

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「工業地域」は、“工業を活発化することを重視する地域”とされています。
原文

12

工業専用地域の中では、次の表に記載されている建築物は建てることが許されません。
(別表第二)
(を)工業地域内に建築してはならない建築物
  • ソープランドなど
  • ホテルや旅館
  • キャバレー、芸者さんの呼べる料亭
  • 劇場、映画館、演芸場、観覧場などの興行施設、ナイトクラブ
  • 学校
  • 病院
  • 合計の床面積が10000㎡を超える店舗や飲食店、展示場、パチンコホール、競輪競馬などのギャンブル関係の施設など
住宅
共同住宅、寄宿舎や下宿
老人ホーム、福祉ホームなど
店舗の商品売り場、飲食店
図書館や博物館など
ボーリング場、スケート場、水泳場など政令で定められたスポーツ施設
射的、麻雀、パチンコ、競輪競馬などのギャンブル関係の施設

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
都市計画法で「工業専用地域」は、“工業の活発化を最優先する地域”とされています。
原文

13

市街化区域であるのに、建築物に対する用途地域が指定されていない地域の中では、次の表に記載されている建築物は建てることが許されません。
(別表第二)
(わ)政令で定められた次のような店舗が集まって店舗の部分や客席の部分の合計床面積が10000㎡を超える建築物
  • 劇場、映画館、演芸場若しくは観覧場などの興行施設(客席部分が合計床面積の対象)
  • ナイトクラブその他などの店舗
  • 飲食店
  • 展示場
  • 遊技場、勝馬投票券発売所、場外車券売場などのギャンブル関係の施設など

特定行政庁の許可を得た建築物には例外が認められます。
原文

14

定められた以外の用途を特定行政庁が許可しようとする場合、これにより利害を受ける立場の人たちから公開の場で意見を聴くことと、建築審議会が同意をすることが必要です。

これにより定められた以外の用途の許可が得られた場合、その用途の建築物を増築したり、改築や移転に対する許可については、公聴会や建築審議会の同意は不要となります。

ただしわざわざ政令で、増改築や移転の場合でも公聴会や建築審議会の同意が必要と定めた場合は、もちろんその政令に従う必要があります。
原文

15

定められた以外の用途を許可するための公聴会を開く場合は、その三日前までに開催場所と日時が特定行政庁から公告されます。
原文


(特別用途地区)
第四十九条

特別用途地区に指定されたら、12種類の用途地域にとらわれず、その地区ならではの用途の建築物を建てたり、逆に用途に制限を加えることができるようになります。

指定された特別用途地区に対して、どのような用途を認めたり、制限をするのかは地方自治体が条例で決めることができます。
2

特別用途地区に指定されたら、その地域に指定されている用途地域の規制を緩和することが認められます。

用途地域の規制を緩和するには、特別用途地区が指定された目的のために必要であることが認められ、国土交通大臣の承認を得て、地方自治体が条例でで決められます。
原文
(特定用途制限地域)
第四十九条の二

特定用途制限地域の中では、都市計画の目的に合わせて建築物の用途を制限されます。

その地域の中で具体的にどんな用途が制限されるかについては、政令で定める基準に従って、地方自治体により条例で定められます。
原文
(用途地域の中では)
第五十条

用途地域の中では、その目的のために建築物の敷地や、建築物の構造、建築設備に関して制限をかける場合は、地方自治体の条例で規定します。

特別用途地区、特定用途制限地区、都市再生特別地区、特定用途誘導地区においても、制限をかける場合は、条例で規定します。
原文
(都市計画区域内に新築できない施設)
第五十一条

次の施設は、都市計画の中で予め決まっている場合は別として、都市計画区域の中で新設したり増築をすることは認められません。
  • 卸売市場
  • 火葬場や屠畜場
  • 汚物処理場
  • ゴミ焼却場
  • 政令で定める処理施設

どうしても新設したり増築することが必要な場合は、都道府県の都市計画審議会で議題にかけて支障なしと認められるか、政令で上限の規模を決めてその範囲内で新築や増築するならば、例外的に認められることがあります。
原文
第四節 建物を建てるための土地には

第四節 建築物の敷地及び構造

(容積率)
第五十二条重要

建物の全ての階の面積を足したものを《延床面積》、建築を行うための全ての敷地の面積を《敷地面積》といいます。

延床面積を敷地面積で割った値を《容積率》といいます。

容積率は、以下のように定められていて、この値を超える建築は認められません。

例外は、高層住居誘導地区に設定された建築物(第五号)で、床面積の計算上は除外される部分の面積も含めて計算することにはなりますが、通常の用途地域で設定された容積率の1.5倍まで拡張されます。

高層住居誘導地区は、都市計画で次の用途地域内に指定されます。
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 近隣商業地域
  • 準工業地域
“各階の床面積を合計した面積”を《延床面積》といいます。ただし建築基準法では延床面積という言葉は使われておらず、延べ面積という表現となります。
原文
 一

第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域の中では、都市計画によって次の値の容積率が設定されます。
  • 50%
  • 60%
  • 80%
  • 100%
  • 150%
  • 200%
実際にどの値の容積率になるのかは、都市計画の中で設定されます。

特定用途誘導地区内の建築物(第六号)については対象外となります。
原文

 二

第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域の中では、都市計画によって次の値の容積率が設定されます。
  • 100%
  • 150%
  • 200%
  • 300%
  • 400%
  • 500%
実際にどの値の容積率になるのかは、都市計画の中で設定されます。

第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域内で、特定用途誘導地区内の建築物(第六号)については対象外となります。
原文

 三

商業地域の中では、都市計画によって次の値の容積率が設定されます。
  • 200%
  • 30%
  • 400%
  • 500%
  • 600%
  • 800%
  • 900%
  • 1000%
  • 1100%
  • 1200%
  • 1300%
実際にどの値の容積率になるのかは、都市計画の中で設定されます。

特定用途誘導地区内の建築物(第六号)については対象外となります。
原文

 四

工業地域、工業専用地域の中では、都市計画によって次の値の容積率が設定されます。
  • 100%
  • 150%
  • 200%
  • 300%
  • 400%
実際にどの値の容積率になるのかは、都市計画の中で設定されます。
原文

 五

高層住居誘導地区の中で、延床面積三分の二以上が住宅用の建築物には、都市計画によって次の値の容積率が設定されます。
  • 150%
  • 225%
  • 300%
  • 450%
  • 600%
  • 750%

この値は第二号の値の五割増の値として政令によって算出されるもので、関連する高層住居誘導地区に関する都市計画で定められます。

都市計画の中で、最低限の敷地面積が決められている場合、その面積よりも狭い場合には対象となりません。
原文

 六

特定用途誘導地区の中で、該当するそこに建築してもらいたい建築物に対しては、特定用途誘導地区に関する都市計画で定められた値の容積率が設定されます。
原文

 七

用途地域の指定がないエリアでは、特定行政庁によって次の値の容積率が設定されます。
  • 50%
  • 80%
  • 100%
  • 200%
  • 300%
  • 400%

この値は、土地の使われている状況を考慮した上で区域を決め、都道府県の都市計画審議会で得られた結論をもとに、特定行政庁で指定します。
原文

2

用途地域によって容積率を決める方法とは別に、接している道路の幅が12メートルに達していない場合は、敷地が主に接している道路との関係によって容積率に制限が加えられます。

制限される容積率は、「接している道路の幅」×「指定された数値」によって算出します。

主に接している道路が複数ある場合は、その中で一番幅の太い道路を対象とします。

指定された数値について詳しくは次の通りです。
“敷地が主に接している道路”のことを《前面道路》といいます。
原文

 一

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域の中では、次の値以下に容積率が制限を受けます。
  • 「接している道路の幅」× 40%
原文

 二

第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域の中では、次の値以下に容積率が制限を受けます。

第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域内の建築物の中で、住宅部分の面積が三分の二未満の建築物も次の値以下に容積率が制限を受けます。

  • 「接している道路の幅」× 40%
  • 「接している道路の幅」× 60%
    (都道府県都市計画審議会の審議でOKが出て、特定行政庁で指定を受けた区域内の建築物)

高層住居誘導地区に指定されて敷地面積の最低限度が定められている場合は、最低限度以上の敷地面積がある建築物が対象となります。
原文

 三

一、二以外の地域の建築物は、次の値以下に容積率が制限を受けます。
  • 「接している道路の幅」× 60%
  • 「接している道路の幅」× 40% または 80%
    (都道府県都市計画審議会の審議でOKが出て、特定行政庁で指定を受けた区域内の建築物)
原文

3難文

次の項目に記載されている住宅用の建築物の容積率を計算する場合、その基礎となる延べ面積に、地下室の様に天井の高さが地面よりも1メートル未満の部屋の面積を加える必要はありません。

住宅以外でも、老人ホームや福祉ホームでも同様に容積率計算に地下室などの面積を加える必要がありません。

  • 容積率の設定(第一項 ※ただし書を除く)
  • 接する道路幅による容積率の設定(第二項)
  • 複数エリアにまたがる容積率(第七項)
  • (第十二項及び第十四項)
  • (第五十七条の二第三項第二号)
  • (第五十七条の三第二項)
  • (第五十九条第一項及び第三項)
  • (第五十九条の二第一項)
  • (第六十条第一項)
  • (第六十条の二第一項及び第四項)
  • (第六十八条の三第一項)
  • (第六十八条の四)
  • (第六十八条の五 ※第二号イを除く、第六項において同じ)
  • (第六十八条の五の二 ※第二号イを除く、第六項において同じ)
  • (第六十八条の五の三第一項(第一号ロを除く。第六項において同じ)
  • (第六十八条の五の四 ※ただし書及び第一号ロを除く)
  • (第六十八条の五の五第一項第一号ロ)
  • (第六十八条の八)
  • (第六十八条の九第一項)
  • (第八十六条第三項及び第四項)
  • (第八十六条の二第二項及び第三項)
  • (第八十六条の五第三項)
  • (第八十六条の六第一項)
原文

4

地下室の地面が水平ではない場所にあるケースで、容積率に考えなくてもすむ地下室に該当するかどうかの基準は、建築物と接する地面の平均高さを対象とします。

もし接する地面の高低差が3メートルを超える場合、3メートルごとに平均高さを算出する必要があります。
原文

5

その土地の状況から必要と判断されると、地方自治体により政令の基準を基にした条例が定められて、地域を絞って独自に地面の高さの設定方法が指定されます。
原文

6

次の項目に記載されている建築物の容積率を計算する場合、その基礎となる延べ面積に、エレベーターのスペースの面積と、共同住宅用の廊下や階段のためのスペースの面積を加える必要はありません。

エレベーターについては政令で確認をしてください。
  • 容積率の設定(第一項)
  • 接する道路幅による容積率の設定(第二項)
  • 複数エリアにまたがる容積率(第七項)
  • (第十二項)
  • (第十四項)
  • (第五十七条の二第三項第二号)
  • (第五十七条の三第二項)
  • (第五十九条第一項と第三項)
  • (第五十九条の二第一項)
  • (第六十条第一項)
  • (第六十条の二第一項及び第四項)
  • (第六十八条の三第一項)
  • (第六十八条の四)
  • (第六十八条の五)
  • (第六十八条の五の二)
  • (第六十八条の五の三第一項)
  • (第六十八条の五の四第一号ロ以外)
  • (第六十八条の五の五第一項第一号ロ)
  • (第六十八条の八)
  • (第六十八条の九第一項)
  • (第八十六条第三項と第四項)
  • (第八十六条の二第二項と第三項)
  • (第八十六条の五第三項)
  • (第八十六条の六第一項)
原文

7重要

設定されている容積率のエリアが複数のエリアにまたがっていたら、エリアごとの面積の割合と容積率を掛けた値の合計値がその土地の容積率の上限値となります。
原文

8

次の条件にあてはまる住宅用の建築物は、たとえ住宅部分が一部だけであったとしても、第一項第二号や第三号に示された値の五割増しの適用を受けられ、床面積の割合に応じて政令で示された値を容積率として用いることができます。

ただし地下室などがあって、それらのスペースを容積率を算出する際には除外することができる建築物については、第一項第二号や第三号に示された値の五割増しの適用を受けるには、除外されたスペースも込みで容積率を算出する必要があります。

特定用途誘導地区内の建築物で、一部でも誘導すべき用途に該当する場合は、五割増しの対象になりません。

都道府県都市計画審議会の審議によって容積率を指定する区域内では、五割増しを最大として、審議によって決められた数値が容積率となります。
原文

 一

次の用途地域内にあること
  • 第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域
    これらの区域の内、高層住居誘導地区は除外されます。
  • 商業地域
都道府県都市計画審議会で審議され、特定行政庁が指定した区域は除外されます。
原文

 二

敷地の中に、きちんと道路に接していて、政令で定める規模、面積以上の空き地があること。
原文

9難文

幅が15メートル以上の道路を建築基準法では《特定道路》といいます。

このような幅の広い道路が近くにあれば、防災上の安全性が高まるため、容積率を高く、つまり容積率を緩和しても問題が無いと判断されます。

容積率緩和の対象となるのは、建物の敷地に接する前面道路に沿って、70メートル以内に特定道路と接続している場合で、しかも前面道路幅が6メートル以上12メートル未満の場合です。

この場合、道路の幅による容積率は、(「接している道路の幅」+『指定された緩和の数値』)×「指定された数値」によって算出します。

『指定された緩和の数値』は、特定道路から敷地が接する前面道路までの距離に応じて政令で指定されます。
原文

10

道路法などに基づいて二年以内に作られる道路(第四十二条第一項第四号)を別にして、都市計画で計画されている道路のことを《計画道路》といいます。

まだ道路になっていなくても、計画道路として認められていれば、敷地が計画道路に接していることにより、条件付きで前面道路として認められるので、建築が可能となります。

この場合の容積率は、通常と同じように前面道路による容積率などの規定(第二項から第七項)を同じように適用することが認められます。
原文

11

次に状況で前面道路の壁面線により敷地の中に道路境界が設定されることになったら、容積率を計算する際の敷地の面積には、壁面線より外側の部分を含めることができなくなります。
原文

 一

土地の利用状況的に、壁面線が有効に機能して、広々とした街並みが確保されている場合。

近い将来、確実に広々とした街並みができそうな場合。
原文

 二

交通に支障がなく、安全や防火、衛生面での危険性が無い場合。
原文

12

壁面線が設定されている地域や条例により同様の規制が設定されている地域で、道路の幅による「指定された数値」が40%の建築物については、道路との境界線はこの壁面線ということになります。

容積率を計算する場合には、次の項を適用するにあたってはこの壁面線を境界線ということにしてください。
  • 容積率の道路幅員による制限(第二項)
  • 容積率の地下室の扱い(第三項)
  • 容積率の斜めの土地での地下室の扱い(第四項)
  • 容積率を条例で(第五項)
  • 容積率のエレベータ室の扱い(第六項)
  • 複数の地域にまたがる容積率は(第七項)
  • 特定道路の近くでの容積率は(第九項)

ただし、容積率の上限は「前面道路の幅」×「60%」以下に限られます。

なお、壁面線による規制には、ひさしのような政令で定められた建築物のパーツについては対象外となります。
原文

13

壁面線の設定された地域などで容積率の計算をする場合に、前面道路と壁面線等との間の部分の面積は敷地の面積から除外して計算してください。
原文

14

第一項から第九項まで容積率の規定がありますが、これらとは別に、次の項目の条件に該当する建築物については、交通に支障がなく、安全面、防火面、衛生面で問題なしと認められ、許可を受けた場合、この許可の範囲で規定を超える容積率が認められます。
原文

 一

敷地の中で機械室の占める割合が非常に大きい建築物の場合
エレベーターや空調、各種配管などのための機械を設置するためのスペースを《機械室》といいます。
原文

 二

敷地の周囲に広い公園や広場、道路などの空き地と接するような建築物
原文

15

特定行政庁が次の項目の許可をするには、アーケードに対する許可(第四十四条第二項)の場合と同じように、あらかじめ建築審査会の同意を得る必要があります。
  • 計画道路に対する容積率(第十項)
  • 壁面線に関する容積率(第十一項)
  • 許可を受けた場合の容積率(第十四項)
原文


(建ぺい率)
第五十三条重要

建築した部分の面積を《建築面積》といい、建築面積を敷地面積で割った値を《建ぺい率》といいます。

建ぺい率は、以下のように定められていて、この値を超える建築は認められません。
原文

 一

第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域や第二種中高層住居専用地域、工業専用地域の中では、都市計画によって次の値の建ぺい率が設定されます。
  • 30%
  • 40%
  • 50%
  • 60%
原文

 二

第一種住居地域や第二種住居地域、準住居地域、準工業地域の中では、都市計画によって次の値の建ぺい率が設定されます。
  • 50%
  • 60%
  • 80%
原文

 三

近隣商業地域の中では、都市計画によって次の値の建ぺい率が設定されます。
  • 60%
  • 80%
原文

 四

商業地域の中では、都市計画によって次の値の建ぺい率が設定されます。
  • 80%
原文

 五

工業地域の中では、都市計画によって次の値の建ぺい率が設定されます。
  • 50%
  • 60%
原文

 六

用途地域の指定がないエリアでは、特定行政庁によって次の値の建ぺい率が設定されます。
  • 30%
  • 40%
  • 50%
  • 60%
  • 70%

この値は、土地の使われている状況を考慮した上で区域を決め、都道府県の都市計画審議会で得られた結論をもとに、特定行政庁で指定します。
原文

2

設定されている建ぺい率のエリアが複数のエリアにまたがっていたら、エリアごとの面積の割合と建ぺい率を掛けた値の合計値がその土地の建ぺい率の上限値となります。
原文

3重要

次のどちらかに該当する建築物は、建ぺい率の設定をする際に10%の加算が認められます。

次の両方に該当する建築物は、建ぺい率の設定をする際に20%の加算が認められます。
原文

 一

用途地域が、第一種住居地域や第二種住居地域、準住居地域、準工業地域、近隣商業地域で、もともとの建ぺい率が50%から60%で、防火地域に指定されている敷地に建つ耐火建築物
原文

 二

角地に建つ建築物

角地ではなくても、角地と同じような状況だと判断されて、特定行政庁の指定を受けた条件の建築物
原文

4

敷地の中に壁面線の指定を受けていて、建築物がその壁面線に沿って建てられている場合に、特定行政庁から安全面、防火面、衛生面で問題なしということで許可を受けたら、建ぺい率の値に加算を受けることがあります。

条例により、敷地上の壁や柱、2メートルを超える門や塀の位置の制限を受けた場合にも、特定行政庁の許可を受けたら、建ぺい率の値に加算を受けることがあります。

壁の位置に関して、ひさしなどのパーツについては、政令の定めにより制限の対象から除外されることがあります。
原文

5

これまでに記載された建ぺい率の値を決めるための規定は、以下のいずれかに該当する建築物に対しては適用しません。
原文

 一

建ぺい率が80%の地域で、しかも防火地域にある耐火建築物
原文

 二

派出所、公衆便所、アーケードなど
原文

 三

公園、広場、道路、川などに建てられていて、特定行政庁が安全面、防火面、衛生面で支障がないことが認められて許可を受けた建築物
原文

6重要

防火地域の内側と外側の両方にかかっている敷地に建つ耐火建築物であれば、全面的に防火地域に建っていることにできます。

これにより、耐火建築物として容積率の10%または20%の加算が容易に認められます。
原文

7

特定行政庁がアーケードに対する許可をする場合の規定(第四十四条第二項)は、特定行政庁が建ぺい率の加算を許可する場合も同じように適用するので、許可をする場合はあらかじめ建築審査会の同意を得る必要があります。
原文


(建物の敷地の広さ)
第五十三条の二

用途地域による敷地の最小面積の制限が設定されていたら、指定より狭い敷地には建物を建てることができません。

敷地の最小面積の制限のことを《敷地面積の最低限度》といいます。

もともとこの規定による《敷地面積の最低限度》よりも広い土地であっても、分筆して分筆後の面積がこの規定を下回ると、そこには建物の建築が認められなくなってしまいます。

ただし次の条件に該当する場合は、指定より狭い敷地でも建物を建てることができます。
原文

 一

建ぺい率が80%の地域で、しかも防火地域にある耐火建築物(第五十三条第五項第一号)
原文

 二

公衆便所、派出所などの公共のための建築物
原文

 三

広い公園や広場が敷地の周辺にあったり、隣接する道路や空き地のスペースが十分にあるため、周辺の市街地の環境に悪影響を与えないと特定行政庁が認めて許可された建物
原文

 四

用途や構造的にどうしてもやむをえないと特定行政庁が認めて許可された建物
原文

2

敷地面積の最小限度は、200㎡よりも小さい値で設定されます。
原文

3

敷地の最低限度が設定される前から建っていた建物がこの規定に適合しないからといって、その建物を急に壊したり、すぐに建て替えたりする必要はありません。

敷地の最低限度が変更になる前から建っていた建物が新しい規定に適合しなくなったからといって、その建物を急に壊したり、すぐに建て替えたりする必要はありません。

最低限度が設定される以前と同じ建物で同じ場所の敷地の状態であれば、そのまま使い続けることができます。

しかし、次のどちらかに該当する場合は、そのまま使い続けることはできなくなり、敷地の最低限度を守るように手を加えることが必要となります。
原文

 一

敷地の最低限度が設定された後に建物が建てられたにもかかわらず、その時点ですでに規定に違反しており、後に規定が変更されてもその建物と敷地の状態が同じで違反が続く土地
原文

 二難文

敷地面積の最低限度にひっかかっているのに、あえてひっかかる建築物のための敷地として使おうとしている場合
原文

4

特定行政庁が次の項目の許可をするには、アーケードに対する許可(第四十四条第二項)の場合と同じように、あらかじめ建築審査会の同意を得る必要があります。
  • 周辺の市街地の環境に悪影響を与えない建物かどうか(第五十三条の二第一項第三号)
  • 用途や構造的にどうしてもやむをえないかどうか(第五十三条の二第一項第四号)
原文


(低層住居専用地域の壁際制限)
第五十四条

第一種または第二種の低層住居専用地域では、敷地の境から建物の壁や柱までの距離は一定以上の距離を離すことが義務付けられます。

政令で特に指定が無い限り、その距離は次の項の値以上とする必要があります。

この距離のことを《外壁の後退距離》といいます。
2

壁際の制限をする場合、その距離は1.5m以上か、1.0m以上のどちらかで設定されます。
原文
(低層住居なのだから高い建物はNG)
第五十五条

第一種でも第二種でも低層住居専用地域内では高さが10mまたは12mを超える建物は認められません。

10mなのか12mなのか、どちらにするかは都市計画で決めます。
2

高さが10mと定められた地域の中でも、敷地の中に政令の規定に該当する空き地があって、敷地の広さが政令の規定に該当する面積があって、しかも低層住居としての環境に悪影響を及ぼさないと特定行政庁に認められた場合は、高さ12mまでの建物が認められます。
3

低層住居専用地域の中にあっても、次の各号に該当する場合は高さの制限を受けなくて済みます。
 一

敷地の周囲に広い公園や広場、道路などのスペースがあって、周辺の低層住居としての環境に悪影響を及ばさないと特定行政庁が許可をした建築物
 二

学校や教育施設などのための用途のためにやむを得ないと特定行政庁が許可をした建築物
4

特定行政庁が、高さの制限を12mに緩和の許可をするには、アーケードに対する許可(第四十四条第二項)の場合と同じように、あらかじめ建築審査会の同意を得る必要があります。
原文
(建築物の部分的な高さの制限)
第五十六条

道路や隣地に近い側には、部分的に建築物の高さの制限があり、次の規定よりも高くすることは認められません。
原文

 一

住居系の地域の建物は、接する道路の向かい側の端から垂直方向に125%勾配(51.34度)の角度に引いた線よりも高くすることは認められません。

住居系の地域でも特定の地区に定められた所や、住居系以外の地域の建物は、接する道路の向かい側の端から垂直方向に150%勾配(56.31度)の角度に引いた線よりも高くすることは認められません。

指定が無い地域の建物は、特定行政庁が周囲の状況を検討の上で都道府県都市計画審議会の議題にかけて決められた角度よりも高くすることは認められません。

この高さの制限は、道路の向かい側の端から一定の距離まで有効ですが、それより先に高さの制限はかかりません。

この一定の距離は、地域や地区、区域とその容積率によって決められます。

詳しくは次の表の通りとなります。
(別表第三)
 (い)
地域・地区・区域
(ろ)
容積率
(は)
一定の距離
(に)
角度
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域内
の建築物
200%以内20mまで125%勾配
(51.34度)
〜300%以内25mまで
〜400%以内30mまで
400%以上35mまで
近隣商業地域内
商業地域内
の建築物
400%以内20mまで150%勾配
(56.31度)
〜600%以内25mまで
〜800%以内30mまで
〜1000%以内35mまで
〜1100%以内40mまで
〜1200%以内45mまで
1200%以上50mまで
準工業地域内の建築物
工業地域
工業専用地域内
の建築物
200%以内20mまで150%勾配
(56.31度)
〜300%以内25mまで
〜400%以内30mまで
400%以上35mまで
接する道路の向かい側の端から所定の角度の線上を超える高さの制限のことを《道路斜線制限》といいます。
原文

 二

原文

  イ

原文

  ロ

原文

  ハ

原文

  二

原文

 三

原文

2

原文

3

原文

4

原文

5

原文

6

原文

7

原文

 一

原文

 二

原文

 三

原文


(■)
第●条

2

原文
(■)
第▲条

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第●条

2

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第四節の二 ●

第四節の二 都市再生特別地区及び特定用途誘導地区

第五節 ●

第五節 防火地域

第五節の二 ●

第五節 特定防災街区整備地区

第六節 ●

第六節 景観地区

第七節 ●

第七節 地区計画等の区域

第八節 ●

第八節 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地及び構造

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